身体拘束適正化に関する指針

2022年6月24日 | ne gishi

身体拘束適正化に関する指針

1.基本的考え方

身体拘束は、利用者の生活の自由を制限することであり、利用者の尊厳ある生活を阻むものです。当事業所では、いずれの場所においても利用者の尊厳と主体性を尊重し、拘束を安易に正当化することなく職員一人ひとりが身体的・精神的弊害を理解し、拘束廃止に向けた意識を持ち、身体拘束をしないケアの実施に努めます。

  • 身体拘束廃止の規定

サービス提供にあたっては、当該利用者又は他の利用者などの生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他の利用者の行動を制限する行為を禁止しています。

  • 緊急・やむを得ない場合の例外三原則

利用者個々の心身の状況を勘案し、疾病・障害を理解したうえで身体拘束を行わない支援を提供することが原則です。しかしながら、以下の3つの要素すべてを満たす状態にある場合は、必要最低限の身体拘束を行う場合があります。

①切迫性…利用者本人またはほかの利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。

②非代替性…身体拘束その他の行動制限を行う意外に代替えする介護方法がないこと。

③一時性…身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。

※身体拘束を行う場合には、以上の3つの要件をすべて満たすことが必要です。

 

2.身体拘束廃止に向けての基本方針

(1)身体拘束の原則禁止

当事業所においては、原則として身体拘束及びその他の行動制限を禁止します。

(2)やむを得ず身体拘束を行う場合

本人又は他の利用者の生命又は身体を保護するための措置として緊急やむを得ず身体拘束を行う場合は、身体拘束廃止委員会を中心に十分に検討を行い、身体拘束による心身の損害よりも、拘束をしないリスクの方が高い場合で、切迫性・非代替性・一時性の3要件のすべてを満たした場合のみ、本人・家族へ説明し同意を得て行います。

(3)サービス提供時における留意事項

身体拘束を行う必要性を生じさせないために、日常的に以下のことに取り組みます。

①利用者主体の行動・尊厳ある生活環境の保持に努めます。

②言葉や対応等で、利用者の精神的自由を妨げないよう努めます。

③利用者の思いをくみ取り、利用者の意向に沿ったサービスを提供し、他職種協働で個々に

応じた丁寧な対応をします。

④利用者の安全を確保する観点から、利用者の自由(身体的・精神的)を安易に妨げるよう

な行為は行いません。

万が一、やむを得ず安全確保を優先する場合は、身体拘束廃止委員会において検討をしま

す。

⑤「やむを得ない」と拘束に準ずる行為を行っていないか、常に振り返りながら利用者に主

体的な生活をしていただけるように努めます。

(4)利用者・家族への説明

利用者の人権を尊重し、安心してサービスを利用していただくため、サービス契約時に事

業所の方針を説明します。サービス事業所は利用者及び家族の生活に対する意向を確認

し、ケアの方向性を提案することで、身体拘束廃止に向けた取り組みについて、理解と協

力を得られるように努めます。

 

3.身体拘束廃止に向けた体制

(1)身体拘束廃止委員会の設置

当事業所では、身体拘束の廃止に向けて身体拘束廃止委員会を設置します。

①設置目的

事業所内等での身体拘束廃止に向けての現状把握及び改善についての検討

身体拘束を実施せざるを得ない場合の検討及び手続

身体拘束を実施した場合の解除の検討

身体拘束廃止に関する職員全体への指導

②身体拘束廃止委員会の構成員

・管理者

・サービス管理責任者

・職業指導員

・生活支援員

③身体拘束廃止委員会の開催

1年に1回定期開催します。

必要時は随時開催します。

 

4.やむを得ず身体拘束を行う場合の対応

本人又は他の利用者の生命又は身体を保護するための措置として緊急やむを得ず身体拘束を行わなければならない場合は、以下の手順に従って実施します。

①身体拘束廃止委員会の実施

緊急やむを得ない状況になった場合、身体拘束廃止委員会を中心として、各関係部署の代表が集まり、拘束による利用者の心身の損害や高速をしない場合のリスクについて検討し、身体拘束を行うことを選択する前に①切迫性②非代替性③一時性の3要素のすべてを満たしているかどうかについて検討・確認をします。

要件を検討・確認した上で、身体拘束を行うことを選択した場合は、拘束の方法、場所、時間帯、期間等について検討し本人・家族に対する説明書を作成します。

また、廃止に向けた取り組み改善の検討会を早急に行い実施に努めます。

②利用者本人や家族に対しての説明

身体拘束の内容・目的・理由・拘束時間または時間他・期間・場所・解除に向けた取り組み方法を詳細に説明し、十分な理解が得られるように努めます。

また、身体拘束の同意期間を超え、なお拘束を必要とする場合については、事前に利用者・家族等と行っている内容と今後の方向性、利用者の状態などを説明し、同意を得たうえで実施します。

③記録と再検討

法律上、身体拘束に関する記録は義務付けられており、その様子・心身の状況・やむを得なかった理由及び経過、解除に向けての取り組み方法などを記録します。また当該記録をもとに身体拘束の早期解除に向けて、拘束の必要性や方法を随時検討していきます。記録は5年間保存し、要望があれば提示できるものとします。

④拘束の開所

③の記録と再検討の結果、身体拘束を継続する必要性がなくなった場合は、済むやかに身体拘束を解除し、その旨を利用者、家族に報告します。

 

5.身体拘束廃止・改善のための職員教育・研修

支援にかかわる全ての職員に対して、身体拘束廃止と人権を尊重したケアの励行につい

て職員教育を行います。

①定期的な教育・研修(年1回)の実施

②新任者に対する身体拘束適正化研修の実施

③その他必要な教育・研修の実施

 

6.この指針は、利用者・家族等に身体拘束廃止への理解と協力を得るため、事業所ホームページに掲載を行い、積極的な閲覧の推進に努めます。

 

附則

この指針は、令和4年4月1日から施行する。